スーパーのレシートを見て「また上がってる」と思う日が、今年は本当に多いです。9月は年内でいちばん多い月でしたが、10月も3,000品目を超える見通しで、値上げは止まりません。
「じゃあ9月のうちに買っておけばいいのか」と考えますよね。わが家も同じことを考えて、電卓を叩いてみました。しょうゆ1本で守れるのは18円。3か月分を家中に積んでも、守れるのは約2,800円でした。
結論から言うと、買い置きで守れる額は、思っていたよりずっと小さいです。
- 2026年10月の飲食料品値上げは3,033品目の見通し(帝国データバンク・2026年8月31日公表)。9月と同じならまだ増える
- 10月1日の酒税改正で、第三のビールは1本7.26円の増税・ビールは9.10円の減税(350mL)
- 9月に上がったぶんの上乗せは月およそ940円(年約1万1,300円)で、この価格は戻らない
- つまり3か月分を買い置きしても、守れるのは約2,800円。買いだめは「値引き」ではなく「時間稼ぎ」
- それでも意味があるのは、どうせ食べるものだけを先に買ったとき。ゼロから積むと食品ロスで逆に損する
- 2026年10月に何が上がるのか(品目数と、日付が確定している酒税改正)
- 4人家族が値上げ前に買っておくと、実際いくら守れるのかの試算
- 値上げ前に買っておくものリスト(日持ちで選ぶ7カテゴリ)
- 買いだめで損する3つのパターンと、わが家がやらかした失敗
- 「買いだめ」を防災の備蓄と兼用にして、ムダにしない方法
2026年10月の値上げは何が上がる?3,033品目と酒税改正
帝国データバンクが2026年8月31日に公表した調査によると、10月に値上げされる飲食料品は3,033品目の見通しです。9月の4,923品目に比べれば少ないものの、単月で3千品目を超える水準が続きます。
ただし、この3,033品目という数字は、これからまだ増えます。9月がそうでした。6月末の時点では3,029品目の見通しだったものが、7月末に4,531品目、8月末には4,923品目まで積み増されています。
つまりいま見えている10月の数字は、まだ途中経過です。9月と同じ動き方をするなら、最終的にはこれより増えます。
| 月 | 値上げ品目数 | ひとこと |
|---|---|---|
| 2026年9月 | 4,923品目 | 年内最多。3,029→4,531→4,923と2回積み増された |
| 2026年10月 | 3,033品目 | 8月末時点の見通し。9月と同じならまだ増える |
| 2026年1〜11月(判明分) | 1万9,083品目 | 年2万品目の到達が確実。前年(2万609品目)を上回る見通し |
10月1日に酒税が変わる|第三のビールは上がり、ビールは下がる
10月でいちばん確実なのが、これです。メーカーの判断ではなく法律で決まっているので、必ず起きます。
ビール系飲料の酒税は2020年10月から3段階で一本化が進んでいて、2026年10月1日がその最終段階です。国税庁の資料には、1キロリットルあたり155,000円(350mL換算54.25円)に一本化すると書かれています。
| 350mLあたりの酒税 | いま | 2026年10月から |
|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 |
| 発泡酒(麦芽25〜50%未満) | 58.49円 | 54.25円 |
| 第三のビール(麦芽25%未満) | 46.99円 | 54.25円 |
- 第三のビールは1本あたり7.26円の増税(46.99円→54.25円)。10月前に買っておく価値があるのはここ
- ビールは1本あたり9.10円の減税(63.35円→54.25円)。こちらは10月を待ったほうが得
- 10月からは3種類とも酒税が同じ54.25円になる。第三のビールの「安さ」の理由が、税金の面では消える
ただし、酒税はあくまで税金の部分です。店頭価格をいくらにするかは各社と店の判断なので、減税分がまるごと値札に反映されるとはかぎりません。
ずっと第三のビールを選んできたので、正直ショックでした。安いから買っていたのに、その理由が税制の側から消えるとは思っていなかったです。

値上げ前に買っておくと、4人家族はいくら守れる?
ここが本題です。品目数の大きさに気を取られる前に、わが家の買い物カゴに落として計算してみます。年収500万円台・4人家族(小学生2人)の想定です。
まず前提として、9月に上がったぶんは10月以降もそのまま続きます。値段は下がって戻るわけではないからです。下の表は、その「すでに乗った」金額です。
各社の発表は「2〜22%」のような幅で、しょうゆは5.8%、冷凍食品は7〜20%と品目差が大きいので、ここでは間をとって10%で置きました。帝国データバンクが出している平均値上げ率は9月が11%なので、上振れではない水準です。
| 9月に上がったカテゴリ | わが家の月の支出 | 月の上乗せ |
|---|---|---|
| しょうゆ・つゆ・たれ | 約600円 | 約60円 |
| 冷凍食品 | 約4,000円 | 約400円 |
| ちくわ・かにかま・魚肉ソーセージ | 約1,300円 | 約130円 |
| 即席麺・レトルト | 約2,000円 | 約200円 |
| そのほかの調味料 | 約1,500円 | 約150円 |
| 合計 | 約9,400円 | 約940円 |
月およそ940円。年に直すと約1万1,300円です。ここから「じゃあ何か月分を買い置きすれば、いくら守れるのか」を出します。
- 1か月分を先に買う → 約940円
- 2か月分を先に買う → 約1,880円
- 3か月分を先に買う → 約2,820円
3か月分を家中に積み上げても、守れるのは3,000円弱。しかも買い置きは値段が戻るわけではないので、在庫が切れた4か月目からは新しい価格で買うことになります。
いちばん実感が湧いたのは、しょうゆです。311円が329円になるので、差は1本18円。わが家は年に6本くらい使うので、1年分をまとめ買いして守れるのは108円ということになります。
10月の酒税で同じ計算をすると、こうなります。第三のビールを週6本(月26本)飲む家庭で、増税分は1本7.26円です。
- 1か月分(26本)を先に買う → 約189円
- 3か月分(78本)を先に買う → 約566円
78本を家に積んで、守れるのは566円。ケース買いで置き場所を潰す価値があるかは、正直びみょうなところです。
むしろ効くのは逆側です。ビールは10月から1本9.10円ぶん税金が下がるので、いま第三のビールをケースで積むより、10月にビールの値札を見比べるほうが差は大きくなります。
しょうゆ1本18円。棚を占領してまで駆け込む額かというと、正直そうでもなかったです。
値上げ前に買っておくものリスト|「賞味期限」で選ぶ7カテゴリ
守れる額が小さいとわかった上で、それでも買っておく価値があるのは「どうせ食べるもの」で「置いておける期間が長いもの」だけです。ここの線引きに、消費者庁の期限表示の考え方がそのまま使えます。
- しょうゆ・つゆ・たれ/未開封なら常温で長く置ける。9月の値上げ本命で、価格は戻らない
- そのほかの調味料/みりん・料理酒・ソース類。切らすと困るのに買い忘れやすい
- 即席麺・カップ麺/賞味期限表示の代表格。ただし食べ切れる量だけ
- レトルト(カレー・パスタソース)/常温保存で子どもも自分で食べられる
- 缶詰(さば・ツナ・トマト)/期限が長く、そのままおかずになる
- 冷凍食品/値上げ幅は大きいが、冷凍庫の空きが上限。入る分だけ
- 米・乾麺/9月・10月とも値上げの主役ではありません。乾麺・パスタは8月1日納品分ですでに7〜14%上がった後なので、「値上げ前」ではなく特売で拾う枠です
買いだめで損する3つのパターン|わが家がやらかした失敗
守れる額が月940円ということは、1,000円分をムダにした時点で1か月分の努力が消えるということでもあります。わが家が実際にやってしまったものを含めて、3つ挙げます。
- ①食べ慣れないものを積む/安いから買った知らない銘柄が残る。捨てたら損失は100%
- ②在庫が見えなくなる/棚の奥と冷凍庫の底がブラックボックス化して、同じものをまた買う
- ③セール価格と比べていない/「値上げ前」でも定価で買えば、来月の特売のほうが安いことがある
特に③が曲者でした。値上げ前という言葉に気を取られて、いつも買っている実売価格と比べないままレジに向かってしまう。上げ幅が10%前後なら、月末の特売で2割引になるほうが大きいわけです。
去年、まとめ買いした袋麺を半年後に見つけました。数十円守るために、150円を捨てていた計算です。

「買いだめ」ではなく「最大1週間分の備蓄を先に満タンにする」と考える
ここまで書くと「じゃあ何もしなくていいのか」となりそうですが、そうではありません。やることは同じでも、目的を入れ替えると話が変わります。
農林水産省は、家庭での食品備蓄について「最低3日分〜1週間分×人数分」が望ましいとしています(ハザードマップ次第では2週間分など多めに、とも書かれています)。
そしてその方法として挙げられているのがローリングストック。蓄える→食べる→補充する、を繰り返して常に一定量を保つやり方です。
- 買いだめ:ふだん持たない量を、値上げ前に一時的に抱える。使い切れなければ損
- ローリングストック:もともと持つと決めた量(わが家は最大でも1週間分)を、常に切らさず回す。値上げ前はその在庫を満タンにするタイミングにすぎない
この考え方に切り替えると、買い置きの量が勝手に決まります。「最大でも1週間分」という上限があるので、積みすぎようがありません。そして残っても防災の備えとして機能するので、死に在庫になりません。
「最大でも1週間分を切らさない」に決めたら、8月の買い物で迷わなくなりました。守れる額より、判断が減ったことのほうが助かっています。
買う量より「買う値段」を下げるほうが効く
ここまでの試算どおり、量を先に買っても守れるのは1割ぶんだけです。それより効くのは、同じものを最初から安く買うこと。1割の値上げに対して、2割3割安く買えれば、値上げそのものを飲み込めます。
わが家が使っているのが、賞味期限が近かったり、パッケージ変更で行き場をなくした食品を割安で扱う通販です。レトルトや缶詰、菓子などふだん買っているものがそのまま安く出るので、今月食べる分の単価を下げる枠として使っています。
補足|2027年4月から、食料品の消費税は1%になる見込み
ここまで買いだめの話をしてきましたが、もうひとつ大きい数字が動いています。2026年8月5日、政府は飲食料品(酒類・外食を除く)の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる基本方針を臨時閣議で決定しました。実現すれば、消費税率が下がるのは1989年の導入以来はじめてになります。
- 9月の値上げによるわが家の負担増は年およそ1万1,300円(10月ぶんはこれから乗る)
- いっぽう食費が月5万円の家庭なら、7%分の減税は年およそ4万円。桁がひとつ違います
- さらに、残る1%分に相当する額を中低所得者へ給付し、負担を「実質ゼロ」にする案も基本方針に入っています
- ただし現時点では基本方針の段階で、法改正はこれから。決まったものとして家計に織り込むのは早い
つまり、いま棚を埋めて数千円を守ろうとするより、減税が入るまでの値上げ局面を普通に乗り切る買い方を整えておくほうが、家計に効く額は大きいということです。
減税を当てにして今から買い控えるのも違うので、わが家は「今の買い方を整える」に集中することにしました。
まとめ|10月の値上げに、慌てて棚を埋めなくていい
- 2026年10月の値上げは3,033品目の見通し。9月の4,923品目より少ないが、この数字はまだ積み増される
- 10月1日の酒税改正で第三のビールは1本7.26円上がり、ビールは9.10円下がる。買っておくなら前者、待つなら後者
- 4人家族で試算すると上乗せは月約940円。3か月分買い置きしても守れるのは約2,800円
- 買っていいのは「賞味期限」表示のもの。値上げ率が大きくても要冷蔵のものは向かない
- 食べ慣れないものを積む・在庫が見えなくなる・特売と比べない、の3つで簡単に損に転ぶ
- 「最大でも1週間分の備蓄を切らさない」に置き換えれば、量の上限が決まってムダが出ない
- 2027年4月からは食料品の消費税が1%になる見込み(8月5日に基本方針を閣議決定)。値上げより金額は大きいが、法改正はこれから
値上げのニュースは数字が大きいので、どうしても身構えます。ただ、自分の家の買い物カゴに落とすと桁が変わるというのが、今回いちばんの収穫でした。
年1万1,300円と分かれば、慌てて棚を埋めるより、いつもの買い方を少し安くするほうに手をかけたくなります。
※本記事の金額はすべて概算・目安です。値上げ品目数と値上げ率は帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(8月分は2026年7月31日公表・9月分は2026年8月31日公表)、期限表示の考え方は消費者庁、家庭備蓄の目安は農林水産省の公表資料によります。飲食料品の消費税率引き下げは2026年8月5日の閣議決定(基本方針)時点の内容で、今後の法改正で変わる可能性があります。
執筆:papakakei.com 編集部
