家計改善

FPの有料相談はいくらが妥当?無料相談がどこで稼いでいるかと、相談前にそろえる家計の数字5つ

ローテーブルに無地の書類5枚と通帳を広げて並べ直す手元・FP相談の前にそろえる家計の数字のイメージ

生命保険料控除証明書が届くこの時期は、「一度プロに家計を見てもらおうかな」と考えるきっかけになります。ところが調べ始めると、1時間1万円を超える有料相談と、何度でも0円の無料相談が並んでいて、どちらがいいのか分かりにくいですよね。

この記事では、日本FP協会と金融庁の資料をもとに、有料相談はいくらが目安か、無料相談はどこでお金を得ているのかを、子育て世帯のモデルで比べました。

🎯 この記事の結論
  • 有料相談を1時間1万1,000円で2回受けると2万2,000円(モデル)
  • 無料相談で、本当は要らない月5,000円の保険を1本多く契約すると、20年で120万円
  • 無料相談の相談料0円は、契約したときに保険会社から代理店へ払われる手数料で成り立っている
📌 この記事でわかること
  • FPの有料相談の料金の決まり方と、1回あたりの目安
  • 無料相談がどこで収入を得ているのか(金融庁の調査から)
  • 有料・無料・協会の無料体験相談、どれが向いているかの線引き
  • 相談の前にそろえておく家計の数字5つ

わが家も保険の棚卸しは、複数の保険会社を扱うFPの無料相談でやってもらいました。そのとき「これ全部いらないじゃないですか」と言われて、ちょっとショックでしたね。無料でも役に立つことはある。だからこそ、相手の収入の仕組みは知っておきたいと思いました。


FPの有料相談はいくら?料金の決まり方と1回の目安

先に結論です。有料相談の料金はFPがそれぞれ自分で決めていて、決まった相場表はありません。日本FP協会も「料金体系はFPが独自に設定している」と案内しています。

多いのは「相談1時間◯円」という時間制です。ほかに、月額や年額の顧問契約もあります。ライフプランの提案書やキャッシュフロー表、保険の見直しは別料金になっていることがあるので、申し込む前に確かめます。

金額の幅をつかむには、日本FP協会の「CFP認定者検索」が便利です。1時間あたりの相談料(税込)を5,500円・1万1,000円・1万6,500円・2万2,000円の区切りで絞り込めるので、この幅で料金を出しているFPを探せます。

この記事のモデル
1時間1万1,000円のFPに、1回目で家計を見てもらい、2回目で見直し案を確認する=2回で2万2,000円。提案書の作成料は入れていません。

なお、日本FP協会には0円で受けられる無料体験相談もあります。全国8か所に相談室があり、本部(東京)では1回50分。電話相談は原則1人30分1回です。ただし電話相談では、金融商品の紹介や、個別の税金の計算には答えられないと案内されています。


電卓とペンで相談料と保険料を比べる計算のイメージ

無料のFP相談はなぜ無料?お金の出どころは保険の手数料

保険ショップや訪問型の無料相談の多くは、複数の保険会社の商品を扱う保険代理店(乗合代理店)です。相談した人からお金はもらいません。保険の契約が決まると、保険会社から代理店に手数料が払われます。

その手数料がどれくらいかは、金融庁の「2026年 保険モニタリングレポート」に手がかりがあります。

それによると、乗合代理店を主な販売先にしている保険会社の医療保険(解約返戻金なしの型)で、初年度に代理店へ払われた手数料は、年間保険料のおよそ1.5倍でした(2024年度の加重平均。レポートのグラフから読み取った値)。

🧮 ほんとうにいくら?
相談料0円
月3,000円の医療保険 × 12か月年3万6,000円
初年度の手数料(年間保険料の約1.5倍)約5万4,000円

→ 1本の契約で代理店に入る目安は 約5万4,000円 です。

※保険料3,000円はモデル。手数料の水準は保険会社・商品・支払い方で変わります。出典:金融庁「2026年 保険モニタリングレポート」

この手数料は、どこかから湧いてくるお金ではありません。金融庁の2025年のレポートには、生命保険は初年度の販売手数料などを、長い契約期間をかけて平準的に回収する設計だと書かれています。つまり元をたどると、私たちが払う保険料です。

国もここを問題にしている
金融庁は、一部の乗合代理店が保険会社からの便宜供与の実績に応じて勧める商品を選んでいたことを受けて、比較・推奨のルールの見直しを進めています(改正案のパブリックコメントは2025年12月〜2026年1月。2026年8月のレポート時点)。2023年の法改正で、保険募集人を含む金融サービスの事業者に「顧客の最善の利益を考えて、誠実・公正に対応する義務」が設けられ、2024年11月から適用されています。

無料の窓口の人を悪者にしたいわけではないんです。ただ「この人のお給料は、私が保険に入ったときに出る」と分かっていれば、勧められた理由を落ち着いて聞けますよね。


有料と無料、結局どっちが安い?2万2,000円と保険1本20年分で比べる

相談料だけを見れば、無料が安いのは当たり前です。比べるべきは、相談のあとに家計から出ていくお金の合計です。

相談のしかた家計から出るお金(モデル)
有料のFPに2回相談料 2万2,000円
日本FP協会の無料体験相談0円(対面50分・電話30分)
無料相談で保険を1本足した月5,000円×20年=120万円
無料相談で何も契約しなかった0円
保険料・期間はモデル。120万円は保険料の合計で、保障を受けた場合の給付は含めていません

有料相談の2万2,000円は、月5,000円の保険20年分の約55分の1です。逆に、有料相談で月5,000円の保険を削れれば、2万2,000円は約4.4か月分で取り戻せます。

保険は家計の中でも大きな支出です。生命保険文化センターの調査(2024年度)では、生命保険に入っている2人以上世帯の年間払込保険料は平均35.3万円(個人年金保険を含む)。月にすると約2万9,000円、20年なら約706万円になります。

👀 向いている相談先
  • 有料FP:保険・住宅ローン・教育費をまとめて見てほしい。商品を勧められたくない
  • 協会の無料体験相談:まず1つの疑問を聞いてみたい。お金はかけたくない
  • 保険代理店の無料相談:入る保険の種類と金額を自分で決めてあり、商品を比べたい

「有料なら安心」とも限りません。有料で相談を受けるFPが、保険代理店を兼ねていることもあります。CFP認定者検索には「金融商品販売(保険代理店契約/金融商品仲介業)」の条件があり、「上記に該当しない」を選ぶと、保険代理店などの契約がないと登録しているFPに絞れます(登録はFP本人の申告です)。

そもそも保険がいくら必要かは、相談の前に自分で目安を出せます。遺族年金と貯金を引いた「不足額」の出し方は、生命保険はいくら必要?不足額から逆算で試算しています。


FP相談の前に家計の数字を準備する予定表のイメージ

FP相談の前に準備するものは?そろえておく家計の数字5つ

有料でも無料でも、相談の時間は数字を集める作業に使わないほうが得です。日本FP協会も、家計簿や収支・貯蓄の状況、ローンの返済状況、保険証券などを準備しておくとよいと案内しています。

そろえる数字どこを見るか
① 手取り(毎月・ボーナス)給与明細・源泉徴収票
② 毎月の支出家計簿や口座・カードの明細(3か月分)
③ 貯金・投資の残高通帳・ネット口座・証券口座
④ ローンの残高と毎月の返済額返済予定表
⑤ 保険の保険料と保障の金額保険証券・契約内容のお知らせ
年金の見込み額を聞きたいときは、ねんきん定期便も持っていく

5つのうち、いちばん集めにくいのは②の毎月の支出です。家計簿をつけていなくても、口座とカードの明細を3か月分並べれば、だいたいの金額は出ます。

相談の前に紙1枚に書くこと
・いちばん聞きたいことを1つ(例:保険を減らしていいか)
・決まっている予定(例:2年後に車の買い替え、上の子の中学入学)
・聞かれても答えたくないこと

有料相談で1時間1万1,000円だと考えると、源泉徴収票を探す10分にも料金がかかる計算です。数字をそろえるのは家でできる作業なので、先に済ませておくのがいちばんの節約だと思います。


無料相談で保険を勧められたら?その場で聞く3つのこと

無料相談を使うなら、その場で契約しないと先に決めておくのがいちばん効きます。持ち帰って、自分で出した不足額と見比べてから決めれば十分です。

🗣️ その場で聞く3つのこと
  • この窓口で扱っている保険会社は何社か
  • この商品を勧める理由は何か(保険料・保障のどこを比べたか)
  • この保険に入らなかった場合、わが家で足りなくなるお金はいくらか

3つ目に数字で答えてもらえない提案は、「不安だから入る」保険になりがちです。答えが出たら、その金額を自分の不足額と比べます。

⚠️ 解約・乗り換えを勧められたとき

いまの保険をやめて新しい保険に入り直すと、年齢が上がったぶん保険料が高くなったり、健康状態によっては入れなかったりすることがあります。新しい保険の契約が決まる前に、今の保険を解約しないのが基本です。

相談の場で「お子さんがいるなら、これくらいは…」と言われると、断るのってけっこう勇気がいるんですよね。だから「今日は決めません」を最初に言ってしまうのがラクです。


まとめ:相談料ではなく「相談のあとに払うお金」で選ぶ

✏️ この記事のまとめ
  • 有料相談の料金はFPごとに違う。協会の検索では1時間5,500円〜2万2,000円の区切りで探せる
  • 無料相談は、契約時に保険会社から代理店へ払われる手数料で成り立っている
  • 医療保険の初年度手数料は、年間保険料のおよそ1.5倍(2024年度・金融庁調査)
  • 有料2回で2万2,000円。要らない月5,000円の保険を1本足すと20年で120万円
  • 相談の前に、手取り・支出・貯金・ローン・保険の5つの数字をそろえる

相談先を選ぶより先に、5つの数字を紙1枚にまとめるところから始めてみてください。数字がそろえば、保険が足りているかどうかは自分でもかなり見えてきます。相談は、そのうえで分からないところだけを聞きに行けば十分です。

出典:日本FP協会「料金体系について」「FP相談に関するQ&A」「CFP認定者の検索条件」「FP無料体験相談(対面)」「FP無料体験相談(電話)」/金融庁「2026年 保険モニタリングレポート」(2026年8月6日公表)「乗合代理店向け保険商品の販売手数料等に関するモニタリング」(参考30)・「乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保に向けた検討」/金融庁「2025年 保険モニタリングレポート」(2025年7月4日公表)/生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」。相談料・保険料・期間はモデルです。数字は2026年10月時点で確認したもので、制度や料金が変わったら更新します。

執筆:papakakei.com 編集部