家計改善

【2026年10月】火災保険の値上げはいくら?更新前に見る3点を年収500万円台パパが試算

書類を持って自宅の外壁と屋根を見上げる眼鏡の父親・火災保険の見直しイメージ

火災保険が2026年10月に値上げされる、という話をよく見かけるようになりました。「更新前に長期契約にしておけば逃げ切れる」というアドバイスもセットでよく流れてきます。

ただ、保険会社の公式資料を上から順に読んでいくと、ネットで語られている話とは少し違う景色が見えてきました。値上げ幅の数字はどこにも出ていませんし、長期契約についても保険会社自身が注意書きを出しています。

この記事では、損害保険料率算出機構と損保各社の公式資料だけを使って、2026年10月に何が起きるのかと、更新の案内が届く前に見ておく3点を整理しました。

🎯 この記事の結論

値上げ幅を公表している保険会社はありません。改定幅は契約内容・建物の建築年月・構造によって違うため、一律の数字は出ようがないからです。

  • 公表されている直近の数字は参考純率の全国平均プラス13.0%(2023年6月改定)。年20,000円の契約なら年2,600円・月217円。ただしこれは過去の改定の数字で、2026年10月の値上げ幅ではありません
  • ただし参考純率は保険料そのものではない。2026年10月の改定は参考純率の改定ではない
  • 金額より効くのは補償の中身が入れ替わること。テレビやパソコンのディスプレイが対象外になる一方、広がる補償もある
📌 この記事でわかること
  • 2026年10月の火災保険は結局いくら上がるのか(公表されている数字と、されていない数字)
  • ネットで見る「過去最大級の値上げ」は何を根拠にしているのか
  • 値上げより家計に効く、補償の入れ替わり(狭くなる補償・広がる補償)と評価基準の見直し
  • 更新の案内が届く前に確認する3点(自己負担額・長期契約・自動継続)
  • 火災保険を家計のどこに置いて管理するか

正直に書くと、わが家は火災保険に入ったきりでした。年にいくら払っているか、すぐには答えられなかったんです。


火災保険は2026年10月にいくら上がる?

先に結論を書きます。いくら上がるかを数字で公表している保険会社は、確認できた範囲でひとつもありません。

損保ジャパンは2026年10月1日以降に保険期間が始まる契約から保険料を改定すると案内していますが、その文章にはこう書かれています。改定幅は契約の内容や建物の建築年月、構造などによって異なるので、更新後の保険料は見積書で確認してほしい、と。

ソニー損保も同じく2026年10月1日以降を保険始期日とする契約から保険料水準を見直すと告知していますが、こちらも「補償内容・所在地・構造級別・築年数により、改定の傾向は異なります」と添えています。傾向すら一律ではないという書き方です。

なお、この記事で公式資料を確認できたのは損保ジャパンとソニー損保の2社です。他社が10月に改定するかどうかは会社ごとに違うので、ご自身が契約している会社の公式サイトで「改定のご案内」を探してみてください。

いま入っている契約が途中で上がるわけではありません。どちらの会社も「2026年10月1日以降を保険始期日とする契約」が対象だと書いています。影響が出るのは、10月以降に更新や新規加入をする人です。5年契約や10年契約の途中なら、満期が来るまでは今の保険料のままです。

また、賃貸で家財の保険だけに入っている方は、契約している商品が今回の案内の対象かどうかが分かれます。損保ジャパンの場合、今回の案内の対象は「THE すまいの保険」「THE 家財の保険」で、賃貸入居者専用の商品は別枠です。まず保険証券の商品名を確認してから、その商品名で改定案内を探してください。

公表されている唯一の数字は「参考純率」

では手がかりがないかというと、ひとつだけ公的な数字があります。損害保険料率算出機構が出している参考純率です。

直近の改定は2023年6月(21日に金融庁長官へ届出、28日に適合性審査の結果を受領)で、住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ、あわせて水災の料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化しました。

これが各社の2024年10月の改定につながっています。

🧮 過去の改定はどれくらいだったか
公表されている数字(2023年の改定)参考純率 全国平均 +13.0%
年20,000円の契約に当てると20,000円 × 13.0% = 2,600円
月に直すと2,600円 ÷ 12ヶ月 = 約217円

→ 2023年の参考純率改定はこの規模でした(年20,000円の契約なら 年2,600円・月217円)。ただしこれは過去に起きた改定の数字であって、2026年10月に上がる幅ではありません

ただし、この計算をそのまま自分の保険料に当てはめないでください。損害保険料率算出機構は改定のお知らせの中で、参考純率の改定率は実際に契約する保険会社の商品の改定率とは異なる、とはっきり書いています。

しかも参考純率は保険料の全部ではなく、保険金の支払いにあてられる「純保険料率」の部分だけです。会社の経費にあたる部分には13%が掛かりません。実際の保険料の上昇率は13%より小さくなるのが普通で、上の表は多めに見た天井だと思ってください。

いまの年間保険料13%上がると(目安)
12,000円13,560円(+1,560円)
20,000円22,600円(+2,600円)
30,000円33,900円(+3,900円)
50,000円56,500円(+6,500円)
2023年の参考純率改定率13.0%を機械的に当てた「過去の目安」。2026年10月の改定率ではなく、各社の実際の改定率とも異なります

過去の改定を見るかぎり、月に直せば数百円の世界でした。住宅ローンの金利が動くときのような桁ではありません

2026年10月の幅は分かりませんが、桁が変わるような話は公式資料のどこにも出ていません。金額そのものより、次に書く「中身の変化」のほうを見たほうがいいと私は考えています。


築年数を重ねた住宅の瓦屋根のクローズアップ

2026年10月の改定は「参考純率の改定」ではない

ここが今回いちばん確認しておきたかった点です。ネット上の解説記事の多くは、2026年10月に参考純率が改定されて過去最大級の値上げになる、という書き方をしています。

ところが損害保険料率算出機構の公式ページを見ると、火災保険参考純率の届出として載っているのは2014年・2018年・2019年・2021年・2023年の5回だけです。2023年6月を最後に、参考純率は一度も改定されていません。

損保ジャパンの資料は、もっとはっきりした形で同じことを示しています。参考純率が改定された年の案内は、冒頭で必ずそう名乗っているからです。

2022年10月の案内は「2021年6月に火災保険の参考純率が改定されたことを受け」と始まります。

2024年10月の案内も同じで、「2023年6月に火災保険の参考純率が改定されたことを受け」と書き出されています。

ところが2026年10月の案内に、その一文はありません。保険料改定の理由として挙がっているのは「近年、物価の上昇が著しく」「建築費も年々上昇しており」という自社の事情だけです。

案内に載っている年表も、2019年1月から2025年9月までの過去の改定を並べたもので、2026年10月はそもそも載っていません。つまり2026年10月の改定は、各社が自社の事情で行う商品改定です。

参考純率とは:損害保険料率算出機構が、多くの損保会社のデータをまとめて算出する「保険金の支払いにあてられる部分」の料率です。各社はこれを目安に自社の保険料を決めますが、そのまま使う義務はありません。
つまり、参考純率が動かない年でも、各社は自分の判断で保険料を変えられます。

⚠️ 「過去最大級」という表現に根拠は見つかりませんでした

過去最大級の値上げ、累計40%以上といった表現をよく見かけますが、その根拠となる改定率を公表している一次資料は確認できませんでした。数字が出ていないものを数字として受け取らないほうが安全です。

参考純率という言葉、今回はじめて調べました。値上げのニュースと、この数字は別のものだったんですね。


値上げより効くのは補償の中身が入れ替わること?

公式資料を読んでいて、月数百円の値上げより家計に効きそうだと感じたのはこちらでした。

ソニー損保は2026年10月1日以降を保険始期日とする契約から、破損・汚損損害等補償特約の補償を縮小します。対象外になるのはテレビ、ディスプレイ、デスクトップ型パソコン、ディスプレイ一体型パソコン、およびその付属品です。

理由も公式に書かれています。この特約の保険金支払いが増えていて、なかでもテレビ等の破損事故が特に多く、それが保険料の引き上げにつながっていた、と。長期的に補償を続けるための判断ということです。

小さい子どもがいる家庭にとって、テレビの破損は最も起こりやすい事故のひとつです。「入っているから大丈夫」のつもりが、10月以降の契約では対象外になっている、という取り違えが起きやすいところです。

損保ジャパンの案内にも同じ趣旨の一文があります。案内に書かれた項目以外にも各種改定を実施しており、補償が縮小している可能性があるので注意してほしい、という書き方です。

会社の側から補償縮小の可能性を明記しているのは、なかなか強い注意喚起だと思います。

公平のために書いておくと、同じ改定で広がる補償もあります。ソニー損保は個人賠償責任補償特約を拡大し、他人から預かった物を壊した場合や盗まれた場合も支払いの対象にします。

公式に挙がっている例が「学校から貸与されたタブレットを自宅で踏みつけて壊してしまった」。子育て中の家庭にはむしろ効く改定です。

ただしこの特約は、補償範囲の拡大にあわせて保険料も引き上げられます。あわせて、置き忘れなど状況によっては対象外になる場合があるとの注記も付いています。

建物の評価基準が変わると保険金額も変わる

もうひとつ見落としやすいのが評価基準です。ソニー損保は建築費や物価の上昇を踏まえて建物の評価基準を改定するとしており、その結果、継続時に保険金額が変更になる場合があると案内しています。

建て直しに必要な金額が上がっているのだから、保険金額が上がるのは筋が通っています。ただ、保険金額が上がれば保険料も上がります。更新の見積書で保険料だけを見て、保険金額が動いていることに気づかないのがいちばんもったいないパターンです。

テレビが対象外になると知って、入っているから大丈夫という思い込みがいちばん危ないと思いました。


木のテーブルに開いた白紙のノートとペン

更新の案内が来る前に見る3点は?

ここからが実際の行動です。値上げ幅が分からない以上、こちらでコントロールできるところを先に決めておくのが現実的だと考えました。

まず保険証券で満期日を見てください。更新の案内は満期の2〜3か月前に届きます。10月・11月が満期の方は、もう案内が届いているか間もなく届く時期なので、見積もりを2本取るところまで手が回らないかもしれません。

その場合は、後ろの「やることリスト」の②と③(自己負担額/破損・汚損の対象)だけ確認して更新し、次の満期で腰を据えて見直すので十分です。満期が来年以降の方は、時間をかけて比べられます。

なお、以下の3点は損保ジャパンの改定案内に書かれている内容です。他社の契約者にそのまま当てはまるわけではありませんが、「何を見るか」という観点は共通なので、ご自身の会社の案内を同じ順番で読んでみてください。

1. 自己負担額(免責金額)をいくらにするか

損保ジャパンは2026年10月の改定で、選べる自己負担額に20万円を追加します。従来は0円・1万円・3万円・5万円・10万円だったところに、もう一段上が用意された形です。

自己負担額を高くすれば保険料は抑えられます。ただし事故のときの持ち出しは増えます。20万円を選ぶということは、20万円までの損害では保険金が1円も出ないということです。なお全損(火災で全焼した場合など)では自己負担額は差し引かれません。

👤 自己負担額を上げてもいい人・やめたほうがいい人
  • 上げてもいい:生活防衛資金が数十万円以上あり、小さな修理は自腹で回せる家庭
  • やめたほうがいい:貯蓄が薄く、想定外の出費が出ると生活費を削ることになる家庭
  • 保険料を下げること自体が目的になっていないか、いちど立ち止まる

2. 長期契約で値上げ前に固定するのは得か

ネットで最も多く見るアドバイスが、10月の前に長期契約に切り替えて保険料を固定しよう、というものです。なかには「10年で固定」と書いている記事もあります。

ただし前提として、いま新たに10年で固定することはできません。損害保険料率算出機構が参考純率を適用できる期間を最長5年までとしたのに伴い、火災保険の保険期間は2022年10月から最長5年になっています。

10年契約を持っているのは、それ以前に契約した人です。

ところが、損保ジャパンの改定案内には長期契約についての注意書きが入っています。物価が上がると修理費も高くなるため、将来の物価上昇を考慮した保険料設定に変更したこと。そして長期契約向けの割引率なども見直したこと。

その結果、1年契約を毎年更新した場合の総額保険料に比べ、長期契約の保険料が割安とならないケースも発生しますと、保険会社自身が明記しています。

つまり長期契約にすれば必ず得、という前提はもう成り立ちません。長期にする価値は「契約期間中に保険料が上がらない」という安心の部分に絞られます。得か損かは、実際に見積もりを2本(1年と長期)取って比べないと判断できないということです。

3. 自動継続の設定になっていないか

3つ目がいちばん静かに効くところです。損保ジャパンは保険期間が1年の契約について、原則として安心更新サポート特約(自動継続型)を自動でセットするようになります。

案内によれば、契約内容変更または自動継続停止の申し出がない場合、満期日の14日前に、現在と同等のプランで自動継続されます。

手続き漏れを防ぐ仕組みとしては親切ですが、裏を返せば何もしなければ中身を確認しないまま次の1年に入るということでもあります。

更新前にやることリスト
① 保険証券で満期日と年間保険料を確認する
② 自己負担額がいくらに設定されているか見る
③ 破損・汚損の特約が付いているか、対象が変わっていないか読む
④ 見積もりを1年契約と長期契約の2本で取る
⑤ 建物と家財を別々に契約しているなら、セット割引の対象になるか聞く(損保ジャパンの持ち家契約者向け)

⑤について補足すると、損保ジャパンは建物・家財セット割引の適用条件を緩和し、建物と家財一式を同一契約で加入するだけで家財一式の保険料に割引が適用されるようになります。

建物だけで契約している家庭は、聞いてみる価値があります。ただし案内には、保険料計算における端数処理の影響で割引にならない場合がある、との注記も付いています。

長期契約にしておけば逃げ切れる、と思い込んでいました。保険会社が自分でそれを否定していて、素直に驚きました。


火災保険は家計のどこに置いて管理する?

火災保険が家計で見えにくいのは、5年一括や10年一括で払うことが多く、毎月の家計簿に出てこないからです。年に一度も意識しない年があります。

私が有効だと感じたのは、一括で払った額を契約月数で割って、固定費の欄に月額として書いておくやり方です。

5年契約で10万円を払っているなら、100,000円 ÷ 60ヶ月で月1,667円。この数字を持っておくと、通信費やサブスクと同じ土俵で比べられます。

一括で払った額(5年契約)月額に直すと
60,000円1,000円
100,000円約1,667円
150,000円2,500円
保険料 ÷ 60ヶ月で計算。地震保険を付けている場合はその分も含めた総額で見ます

ちなみに地震保険は、損害保険料率算出機構の集計で火災保険契約の70.8%に付帯されています(2025年度・前年度から0.4ポイント増)。もはや例外的なオプションではないので、月額に直すときは地震保険料も忘れずに足してください。

2026年は光熱費の支援が終わり、金利も動く年です。火災保険の月数百円は、その中では小さな部分です。それでも中身を知らないまま自動更新される固定費を1つ減らせるという意味では、更新の年に一度だけ手をかける価値があると思っています。


✏️ この記事のまとめ
  • 対象は2026年10月1日以降を保険始期日とする契約。契約期間の途中で保険料が上がるわけではない
  • 2026年10月に火災保険を改定する会社はあるが、値上げ幅を公表している会社は確認できなかった(公式資料を確認できたのは損保ジャパンとソニー損保の2社)
  • 公表されている数字は参考純率の全国平均プラス13.0%(2023年6月改定)。年20,000円なら年2,600円・月217円だが、これは過去の改定の数字で、2026年10月の値上げ幅ではない
  • 2026年10月の改定は参考純率の改定ではない。参考純率は2023年6月を最後に改定されておらず、損保ジャパンの案内も「商品改定のご案内」と題されている
  • 金額より効くのは補償の中身が入れ替わること。テレビやディスプレイが破損・汚損の対象外になる一方、預かり物の賠償など広がる補償もある
  • 更新前に見るのは自己負担額・長期契約の見積もり比較・自動継続の設定の3点
  • 長期契約は割引率も見直されており、1年更新の総額より割安にならないケースがあると保険会社自身が明記している。なお保険期間は2022年10月から最長5年で、10年で固定することはできない

※本記事は2026年8月30日時点の公開情報をもとに整理したものです。改定の内容・時期・保険料は保険会社および契約内容によって異なります。実際の手続きは、必ずご自身の保険証券と保険会社・代理店の案内でご確認ください。個別の保険加入・解約を推奨するものではありません。

執筆:papakakei.com 編集部