家計改善

利上げでわが家は損?得?住宅ローンの利息は年6万1,600円増・預金は2,390円増|年収500万円台パパが試算

眼鏡をかけた男性が無地の通帳と紙を見比べる・利上げで住宅ローンと預金の利息を確認するイメージ

2026年9月18日、日本銀行が政策金利を引き上げました。その日のうちに、三菱UFJ銀行から金利の告知が出ています。1つは「普通預金の金利を上げます」、もう1つは「住宅ローンの基準になる金利を上げます」。

ニュースで目立つのは前者ですが、家計に効く金額が大きいのは後者です。どちらも同じ日に決まったのに、上がり幅がそろっていないからです。

💡 結論:同じ利上げでも、上がり方が違う
  • ローンの基準(短期プライムレート)は+0.25%、普通預金は+0.10%。同じ利上げなのに、上がり幅は2.5倍の差
  • 住宅ローン残高2,500万円なら、1年で増える利息は約6万1,600円
  • 普通預金300万円で増える利子は、税金を引いたあと約2,390円
  • 差し引きで年およそ5万9,000円の負担増(残高2,500万円・預金300万円のモデル)
📌 この記事でわかること
  • 2026年9月18日の利上げで、ローンと預金がそれぞれ何%上がったのか
  • 住宅ローンの残高別に、1年で増える利息はいくらか
  • 普通預金0.5%で受け取れる利子は、税金を引くといくらか
  • 差し引きすると、わが家はいくら損をするのか
  • 預金が上がる日と、ローンが上がる日がいつなのか(同じではありません)

「普通預金0.5%」の見出しを見て、正直ちょっと得した気分になりました。でも同じ日に、ローンの基準も上がっていたんですよね。気づいたのは翌日です。


2026年9月の利上げで何が決まった?ローンは+0.25%・預金は+0.10%

まず事実だけを並べます。日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決めました(賛成7・反対2)。

それまでは1.00%程度でしたから、0.25%の引き上げです。

新しい方針が適用されるのは2026年9月24日からとされています。

この決定を受けて、同じ9月18日に三菱UFJ銀行が2つの改定を発表しました。どちらも改定日は2026年11月2日です。

何の金利変更前 → 変更後増減
短期プライムレート
(住宅ローンの変動金利のもとになる金利)
2.375% → 2.625%+0.25%
円普通預金金利0.40% → 0.50%+0.10%
出典:三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」「円普通預金金利の改定について」(いずれも2026年9月18日)

政策金利が0.25%上がったのに対して、ローンの基準はまるごと0.25%、預金には0.10%しか渡ってきていません。銀行が受け取る側の金利はそのまま上がり、払う側の金利は一部だけ、という形です。

短期プライムレートとは:銀行が業績のよい企業に1年以内で貸すときの、いちばん低い金利のことです。住宅ローンの変動金利は、この金利を土台にして決められています。

つまり、短期プライムレートが上がると、変動金利も同じ幅だけ上がると考えて差し支えありません。

「うちの銀行は三菱UFJではない」という方もいると思います。改定の幅と日付は銀行ごとに違うので、そこは自分の銀行の告知を見てください。ただし、ローン側はほぼ全額、預金側は一部だけという構図は、大手銀行ではおおむね似た形になっています。


住宅ローンの利息は1年でいくら増える?残高別の早見表

電卓とノートで住宅ローンの利息を計算する手元

ここからが本題です。0.25%という数字は小さく見えますが、かかる相手が数千万円なので、金額にすると見え方が変わります。

先に結論を書くと、1年目に増える利息は「残高 × 0.25%」でほぼ言い当てられます。いま借りている金利が0.5%でも1.2%でも、増える額はほとんど変わりません。増えるのは上乗せされた0.25%分だけだからです。

ローン残高(残り年数)1年目に増える利息
2,000万円(残り20年)約4万9,000円
2,500万円(残り25年)約6万1,600円
3,000万円(残り30年)約7万4,200円
元利均等返済・変動0.9%→1.15%で、返済額を新しい金利で計算し直した場合の試算。5年ルールで返済額が据え置かれる契約では約200円多くなります。いま0.5%で借りていても1.2%で借りていても、増える額の差は数百円ほどです

この表は「返済額」ではなく「利息」の増え方です。変動金利で元利均等返済の場合、5年ルールがある契約なら毎月の返済額はすぐには変わりません。

変わるのは、返済額のうち利息にまわる分と元金にまわる分の割合です。返済額が同じなのに元金が減りにくくなる、という形で効いてきます。

残高2,500万円・残り25年のモデルで5年分を積み上げると、増える利息の合計は約29万3,000円です。

5年ルールで返済額が据え置かれる契約では、この約29万3,000円がそのまま元金の残りに上乗せされます。

わが家も住宅ローンを抱えている側なので、この2つの告知を並べたときは笑えませんでした。「預金が上がった」と喜ぶ話ではなかった、というのが正直なところです。


普通預金0.5%で受け取れる利子はいくら?税引後で計算する

倒れた貯金瓶からこぼれたコイン

次に、上がってうれしい側です。金利が0.001%だった時期を知っていると、0.5%という数字は大きく見えます。ただ、受け取るまでに2つ引かれます。1つは「増えたのは0.10%分だけ」という事実、もう1つは利子にかかる税金です。

🧮 ほんとうにいくら?
広告の数字年0.50%
300万円 × 0.50%15,000円
税金 20.315% を引くと11,952円

→ 1年で受け取れるのは 約11,952円 です。

利子にかかる税金は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)で、受け取る前に銀行が差し引きます。三菱UFJ銀行も金利表に「上記利率は税引前の表示です」と明記しています。

ただし、この11,952円は0.5%まるごとの利子であって、今回の利上げで増えた分ではありません。増えたのは0.10%分だけなので、上がったことで手元に増える金額はもっと小さくなります。

預金額増える利子(税引後・年)
100万円約797円
300万円約2,390円
500万円約3,984円
1,000万円約7,968円
0.40%→0.50%の差(0.10%)に対する1年分。20.315%を引いたあとの金額です

預金が1,000万円あっても、今回の利上げで増える利子は年8,000円に届きません。「金利が上がったから貯金しておこう」で埋まる金額ではない、というのが数字の答えです。

「じゃあ預金を増やせば釣り合うのか」と一瞬考えたんですが、電卓を叩いてすぐやめました。釣り合わせるには桁が足りません。


差し引きでわが家はいくら損する?預金が埋めてくれるのは約4%

では、2つを並べます。住宅ローン残高2,500万円・残り25年のモデルに、預金額だけを変えて差し引きしてみました。

預金額差し引きの負担増(年)預金が埋める割合
100万円約6万800円約1%
300万円約5万9,200円約4%
500万円約5万7,600円約6%
ローン残高2,500万円・残り25年の1年目で試算。いずれもモデルケースです

預金300万円の家庭で、増えた利息のうち預金の利子が埋めてくれるのは約4%。残りの96%はそのまま家計の負担です。預金を500万円まで積んでも、埋まるのは6%ほどにしかなりません。

ここが今回のいちばん大事なところ:利上げのニュースを「預金と借金の綱引き」で考えると、ほとんどの子育て世帯は負ける側に立っています。住宅ローンの残高は数千万円、預金は数百万円と、そもそも桁が1つ違うからです。

だからといって、あわてて繰り上げ返済や借り換えに走る話ではありません。手元のお金には、教育費や急な出費に備えるという別の役目があります。ここで必要なのは「いくら動くのかを知っておくこと」で、判断はそのあとです。


預金が上がる日とローンが上がる日はいつ?順番が逆になる

最後に、いちばん見落とされやすい話をします。同じ11月2日に改定される2つの金利ですが、家計に届くタイミングはまったく違います。

預金は11月2日からすぐ

普通預金の金利は、改定日の2026年11月2日から新しい利率で計算されます。得をする側は、11月からすぐ動き出すということです。

なお、計算された利子が実際に口座に入るのは銀行が決めた利息計算日なので、11月2日に入金されるわけではありません。

ローンは早くても2027年2月、遅ければ2027年7月から

一方、住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートが変わってすぐに動くわけではありません。三菱UFJ銀行は、今回の引き上げにともなう基準金利の見直しを2026年12月1日から行うと告知しています。

そこから先は契約している金利の種類で分かれます。見直しの基準日は、毎月型が2026年12月1日、年2回型が2027年4月1日です。

変動金利の種類返済に反映される時期
毎月型2027年2月の約定返済分から
年2回型2027年7月の約定返済分から
出典:三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年9月18日現在)。銀行・契約により異なります
⏰ つまり、こういう順番になります
  • 2026年11月2日:預金の金利が0.5%に上がる(少しだけ得をする)
  • 2026年12月1日(年2回型は2027年4月1日):ローンの基準金利が見直される(まだ返済額には出てこない)
  • 2027年2月〜7月:ローンの利息が増え始める(ここから本番)

先に預金が上がって、あとからローンが上がる。この順番を知らないと、11月の通帳を見て「思ったより悪くないな」と油断してしまいます。

いま10分でできること:住宅ローンを借りている方は、「ご返済のお知らせ」などの書類で自分の変動金利が毎月型か年2回型かを確かめておいてください。どちらかで、負担が増え始める月が5か月ずれます。

毎月型なら2027年1月上旬、年2回型なら2027年5月上旬に新しい利率の通知が届く予定です。


まとめ:金額を先に知って、判断はあとにする

📝 この記事のまとめ
  • 2026年9月18日の利上げで、政策金利は1.00%程度から1.25%程度へ
  • 三菱UFJ銀行はローンの基準を+0.25%、普通預金を+0.10%に改定(どちらも11月2日)
  • 残高2,500万円なら、1年で増える利息は約6万1,600円
  • 預金300万円で増える利子は、税引後約2,390円。埋まるのは約4%だけ
  • 差し引き年およそ5万9,000円の負担増
  • 預金は11月2日から、ローンは2027年2月または7月から。得が先、損があと

利上げのニュースは「預金が増える話」として流れてきますが、住宅ローンを抱えた子育て世帯にとっては、ほぼ確実に負担が増える話です。先に金額を知っておけば、2027年に通知が届いたときに慌てずに済みます。

次にやることは、繰り上げ返済でも借り換えでもありません。まず食費・光熱費・通信費といった毎月の出費を見て、年6万円ぶんの余白を作れるところがないかを確かめることです。金額の大きいところから順番に手を付けるのが、いちばん近道です。

⚠️ この記事の前提
  • 金利・改定日は2026年9月21日時点で公表されている内容です
  • ローン残高2,500万円・預金300万円はモデルケースで、わが家の実額ではありません
  • 試算はいずれも「新しい金利が1年間まるまる適用されたら」という前提の金額です
  • 改定の幅・日付・反映時期は銀行や契約によって異なります。必ずご自身の銀行の告知でご確認ください
  • 個別の返済判断・投資判断を推奨するものではありません

執筆:papakakei.com 編集部