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自動車保険の値上げ2026|参考純率14.4%の中身と大手損保の改定時期を整理|年収500万円台パパ

自宅の駐車場で自動車保険の書類を確かめる眼鏡のパパ

※掲載している内容は2026年10月2日時点の一次情報と報道にもとづきます。

「自動車保険が過去最大の値上げ」。2026年の夏、そんな見出しをいくつも見かけました。わが家も車を持っているので、正直ドキッとしました。

ただ、損害保険料率算出機構が出している原典を読むと、この14.4%という数字は、あなたの保険料が14.4%上がるという意味ではありません。しかも、この数字が想定しているのは2026年の契約ではありませんでした。ただし、各社の値上げはこれとは別に、すでに始まっています。

この記事では、機構が2026年6月に出した届出の原典と大手損保の改定報道を使って、何が決まって、いつ、誰の保険料に効くのかを整理します。なお、ここで扱うのは任意で入る自動車保険の話で、車検のときに払う自賠責保険とは別のものです。

結論:14.4%が効くのは2027年1月から。各社の値上げは先に始まっている

決まったのは保険料そのものではなく、各社が保険料を決めるときの目安(参考純率)です。機構は2027年1月以降に始まる契約を想定した数字だと明記しています。ただし大手損保はこれとは別に、2026年10月〜2027年4月にかけて平均5〜6%台の値上げを実施・予定・検討していると報じられています。

  • 参考純率の水準は平均14.4%の引き上げ(2026年6月23日に金融庁へ届出)
  • 車両保険つきの契約例では普通・小型が+17.2%/軽が+17.5%(年6万円の契約にそのまま当てると年+10,320円)
  • ただしこれは保険料の改定率ではありません。実際の額は保険会社ごとに違います
  • 安全運転で安くなる新しい料率区分も同時に新設されました
📌 この記事でわかること
  • 2026年に自動車保険の何が決まったのか(機構の届出の中身)
  • 「参考純率14.4%」と「自分の保険料」はどう違うのか
  • 契約の内容別に、目安として何%上がる計算になるのか
  • 値上げが効いてくるのはいつからか
  • 事故は減っているのに、なぜ上がるのか
  • ドライブレコーダーで保険料が安くなる新区分の中身
  • 更新の案内が来る前に確認しておく3点

更新のハガキが来たら、中身を読まずにそのまま継続。そういう家庭は多いはずです。わが家も保険の更新は後回しにしがちなので、他人事ではありません。


2026年に自動車保険の何が決まった?

損害保険料率算出機構は2026年6月23日、自動車保険の参考純率を変更する届出を金融庁長官に行いました。そして6月30日に適合性審査の結果通知を受領しています。

届出の資料には、内容が2点にまとめられています。

機構が届け出た2つの内容
  • ① 自動車保険の参考純率水準を平均14.4%の引上げ
  • ② 運転者の運行特性を保険料に反映する料率区分を新設(安全運転を行うことで保険料の割引を可能とするもの)

出典:損害保険料率算出機構「【自動車保険】参考純率届出のご案内」(2026年6月23日)

「参考純率」は保険料そのものではない

ここがこの記事でいちばん大事なところです。参考純率は、保険料の全部ではなく一部にすぎません。

機構の資料は、保険料率の構造をこう説明しています。

「保険料率は純保険料率(保険会社が支払う保険金に充てられる部分)と付加保険料率(保険会社の経費等に充てられる部分)で構成されます」

「参考純率は使用義務のない参考数値であるため、これを用いずに保険会社独自に純保険料率を算出することもできます」

機構が算出しているのは前者だけです。後者は各社が決めており、今回の改定の対象外です。

つまり、14.4%上がるのは保険料の一部分であって、支払う保険料が14.4%増えるわけではありません。

機構自身も、各社の商品は参考純率と異なる場合があるとして、理由を2つ挙げています。保険会社が自社の収支をもとに独自のタイミングで改定しているケースがあること。そして付加保険料率は各社が決めていることです。


14.4%上がると保険料はいくら増える?

平均14.4%というのは全体をならした数字で、契約の内容によって幅があります。機構は代表的な契約例の改定率も公表しています。

契約の内容普通・小型乗用車軽四輪乗用車
車両保険あり+17.2%+17.5%
車両保険なし+16.4%+15.8%
出典:損害保険料率算出機構「参考純率届出のご案内」の改定率の例。対人・対物・人身傷害・車両保険のセット契約、45歳・26歳以上補償・20等級・沖縄県以外の条件

意外に思うかもしれませんが、軽自動車のほうが上げ幅が大きいケースがあります。車両保険つきだと軽は+17.5%で、普通車の+17.2%を上回ります。

では、これを自分の保険料に当てはめるとどうなるか。参考純率がそのまま反映されたと仮定した場合の目安が下の表です。

いまの年間保険料+17.2%だと差額
40,000円46,880円+6,880円
60,000円70,320円+10,320円
80,000円93,760円+13,760円
100,000円117,200円+17,200円
車両保険つき・普通乗用車の改定率で計算した目安
⚠️ この表は「上限側の目安」です

参考純率は保険料のうち保険金に充てられる部分だけです。経費に充てられる付加保険料率は今回の改定に入っていません。

その部分が据え置かれるなら、実際の値上がり幅はこの表より小さくなる計算です。逆に各社が経費部分も一緒に見直せば、違う数字になります。最終的な金額は、契約している保険会社の案内でしか分かりません。

「14.4%」だけ見て、うちの保険料も14.4%上がると思い込んでいました。中身を読んだら、そもそも保険料の一部の話だったんですね。


値上げが効いてくるのはいつから?

ここも見出しだけ読むと誤解しやすいところです。機構の資料には、はっきりこう書かれています。

「自動車保険の参考純率水準(2027年1月以降に保険始期を有する契約を想定)は、平均14.4%の引上げが必要となりました」

つまり14.4%という数字そのものは、2027年1月以降に始まる契約を想定したものです。ただし、これとは別に各社は自社の判断で保険料を上げています。

報道によると、東京海上日動は2026年10月に平均約6.5%、損保ジャパンは2026年7月に平均約1.8%上げたうえで、2027年1月にも平均約5%上げる予定です。三井住友海上・あいおいニッセイ同和のグループ(MS&AD)も、2027年4月に約6%の引き上げを検討していると報じられています。2026年中の更新でも、会社によってはもう上がっています。

しかも、各社がいつ、どれだけ反映するかは会社ごとに決めることです。機構の資料にも、保険会社は独自の内容やタイミングで改定しているケースがあると書かれています。上の各社の値上げも、まさにそれにあたります。

※各社の改定率は報道(共同通信 2026年5月26日・8月24日、日本経済新聞 2026年5月)にもとづく平均値です。ご自身の契約の改定率は、更新案内で確認してください。

火災保険のほうは事情が逆で、参考純率は改定されていないのに各社が商品を改定しています。同じ「保険の値上げ」でも中身がまるで違うので、あわせて読むと違いが分かりやすいはずです。


事故は減っているのに、なぜ上がる?

ここが今回いちばん納得できた部分でした。事故そのものは減っています。機構は、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術の普及を背景に、事故率が緩やかに減少していると書いています。

それでも上がるのは、1件あたりの支払額が事故の減り方を上回って増えているからです。

機構が挙げている4つの要因
  • 急激な物価上昇
  • 高性能部品の普及による部品の高額化
  • 工賃単価の上昇
  • 修理期間の長期化による間接損害(代車料等)の増加

安全装備が増えたぶん、ぶつけたときに交換する部品も高くなった、ということです。センサーやカメラが付いたバンパーは、昔のバンパーとは値段が違います。

事故が減っても修理費が上がれば、保険金の総額は下がりません。家計の物価高が、保険料という形で回ってきているとも言えます。


安全運転で保険料が安くなる新区分とは?

値上げの話ばかりではありません。今回の届出には、安全運転をすると保険料が安くなる仕組みも入っています。

ドライブレコーダーなどで走行データを記録できるようになった結果、機構の分析で分かったことがあります。

運行特性区分(新設)の中身

「運転中の急加速や急減速が少ないほど、事故のリスクが低いことがわかりました」

これを踏まえ、区分1〜3の3段階が新設されました。区分1が最もリスクが低く、保険料が安価になります。判定は、車に積んだドライブレコーダー等で測った急加速・急減速の頻度にもとづきます。

子どもを乗せて走る家庭にとっては、ありがたい方向の変更だと思います。ゆっくり発進してゆっくり止まる運転が、そのまま保険料に返ってくるからです。

ただし注意点があります。これは機構が用意した区分であって、どの保険会社がいつ採用するかは各社の判断です。使える会社と使えない会社が出てきます。

もうひとつ、既存の割引で見落としやすいのがASV割引(衝突被害軽減ブレーキ=AEB付きの車の割引)です。契約車両が発売後およそ3年以内の型式で衝突被害軽減ブレーキが付いていると、機構の参考純率では9%の割引です(実際の割引率は保険会社ごとに異なります)。比較的新しい車に乗り換えた人は、適用されているか確認する価値があります。


更新の案内が来る前に確認する3点

機構の14.4%が本格的に効くのは2027年からですが、会社によっては2026年中の更新でもすでに上がっています。慌てて乗り換える前に、次の更新までにやっておくと差が出ることが3つあります。

① いまの保険料と等級を紙で確認する

上がったかどうかを判断するには、比べる元の数字が要ります。保険証券か、契約者向けのマイページで年間保険料と現在の等級を控えておきます。

等級というのは、事故を起こさなかった年数に応じて保険料が割り引かれる仕組みのことです。1年間無事故だと1つ上がり、割引率が大きくなります。上限は20等級です。

これをやっておかないと、次の案内が来たときに「なんとなく高くなった気がする」で終わってしまいます。2026年10月以降に更新を迎える人は、今回の案内からもう上がっている可能性があります。前年の数字と並べて見てください。

② 車両保険の付け方を見直す

表のとおり、上げ幅がいちばん大きいのは車両保険つきの契約です。逆に言えば、ここが見直しの効きどころになります。

外すかどうかは、車の時価と貯金のバランス次第です。いま買い替えの現金を用意できないなら、車両保険は外さないほうが安全です。免責金額(事故のときに自分で負担する金額)を上げて、そのぶん保険料を下げるという中間の手もあります。

③ 運転者の範囲と年齢条件が今の実態と合っているか見る

ここは意外と放置されがちです。もう運転しない同居家族が範囲に入ったままだったり、年齢条件が古いままだったりすると、払わなくていい保険料を払い続けることになります。

逆に、子どもが免許を取る予定があるなら、範囲を広げる必要があります。値上げの前に、まず契約が家の実態と合っているかを合わせるほうが先です。

値上げのニュースは、放置していた契約を見直すいい口実になりますね。わが家も次の更新案内は、前年の証券と並べて読むつもりです。

固定費全体をどの順番で手を付けるかは、こちらにまとめています。


まとめ|上がるのは本当。でも慌てる時期ではない

📝 この記事のまとめ
  • 機構は2026年6月23日、参考純率を平均14.4%引き上げる届出を金融庁に行った
  • 参考純率は保険料のうち保険金に充てられる部分だけ。支払う保険料が14.4%増えるという意味ではない
  • 契約例の改定率は車両保険つきで普通・小型+17.2%/軽+17.5%。軽のほうが上げ幅が大きい
  • 14.4%が想定しているのは2027年1月以降に始まる契約。ただし各社は別に改定しており、2026年10月や2027年1月に上げる会社もある
  • 理由は事故の増加ではなく修理費・工賃・代車料の上昇。事故率はむしろ緩やかに減っている
  • 同時に急加速・急減速が少ないほど安くなる区分1〜3が新設された

「過去最大の値上げ」と聞くと身構えますが、今回の数字は各社の保険料そのものではありません。次の更新の案内が届いたら、この記事の3点を照らし合わせてみてください。それだけで十分です。

執筆:papakakei.com 編集部/基準日:2026年10月2日。本記事は公表資料を整理したもので、個別の保険契約の判断を推奨するものではありません。保険料の詳細はご契約の保険会社にご確認ください。