- 2026年度から始まる「高校授業料の所得制限撤廃」で何が変わるのか
- 公立・私立で「実際にいくら浮くのか」を年収500万円台パパ目線で試算
- 無償化されても残る「授業料以外」の費用と、見落としがちな落とし穴
- 浮いた授業料を「未来の教育費」に変える3つの現実的な選択肢
「2026年度から高校の授業料が、所得制限なしでタダになるらしい」——そんなニュースを見て、「うちは年収500万円台だけど、本当に対象なの?」と気になっている方は多いと思います。
結論から言うと、2026年4月からは所得制限が完全に撤廃され、公立も私立も「全世帯」が授業料相当の支援を受けられるようになります。これまで「うちは中途半端な年収だから満額もらえないのでは」と諦めていた家庭にこそ、大きな追い風です。
ただし、ここで浮かれて終わると家計の追い風を半分しか活かせません。この記事では、制度の中身をかみ砕いたうえで、「実際にいくら浮くのか」「浮いたお金を何に回すと18年後に効いてくるのか」まで、子育て中のパパ目線で整理していきます。
2026年度から何が変わる?「所得制限撤廃」の中身を3分で
これまでの高校無償化(高等学校等就学支援金)は、世帯年収に「所得制限」がありました。ざっくり言うと、年収が一定ラインを超える家庭は支援額が減ったり、私立では満額に届かなかったりしたのです。
2025年秋に与野党が合意し、2026年度(2026年4月)からこの所得制限が撤廃されました。さらに私立高校への支援上限額も引き上げられます。変更点を一覧にすると、こうなります。
- 所得制限を撤廃:公立・私立とも、世帯年収に関係なく全世帯が対象に
- 私立(全日制)の支援上限を引き上げ:年39万6,000円 → 年45万7,200円
- 私立(通信制)も引き上げ:年29万7,000円 → 年33万7,000円
- 公立は授業料相当(年11万8,800円)が引き続き支援され、所得制限なしで全世帯対象に
つまり、これまで「年収が壁を超えていて支援が薄かった」家庭ほど、恩恵が大きく広がるということです。特に私立を選択肢に入れている家庭にとっては、授業料の負担感が大きく変わります。
正直、最初は「うちは年収500万円台だから、どうせ対象外でしょ」と思い込んでいました。所得制限が外れて全世帯対象になると知って、認識を改めました。これは知っておくだけで効く話です。
公立と私立で「浮くお金」はいくら?年収500万円台で試算してみた

では、実際にどれくらいの授業料が支援でカバーされるのか。文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」のデータをもとに、公立と私立を並べてみます。
| 項目 | 公立高校 | 私立高校(全日制) |
|---|---|---|
| 授業料の年額目安 | 約11.9万円 | 約45万円前後(学校差大) |
| 2026年度の支援上限 | 年11万8,800円 | 年45万7,200円 |
| 所得制限 | 撤廃(全世帯) | 撤廃(全世帯) |
| 授業料以外の年間費用 | 約48万円 | 約58万円 |
| 学習費総額(年・令和5年度) | 約59.8万円 | 約103万円 |
注目してほしいのは、私立の授業料はほぼ全額が支援でカバーされる規模になったという点です。仮に私立の授業料が年45万円なら、3年間で約135万円分が支援の対象になります。これまで満額に届かなかった世帯にとっては、この差は小さくありません。
- 子どもの志望に私立高校が入っている家庭
- これまで所得制限ギリギリで支援が薄かった共働き世帯
- 「公立一本で考えていたけど、選択肢を広げたい」と思っている家庭
ここが落とし穴。無償化されても「授業料以外」で年50万円かかる
ここが一番伝えたいところです。「無償化」という言葉のインパクトが強すぎて、「高校はもうお金がかからない」と勘違いしてしまう方が少なくありません。しかし支援の対象は、あくまで授業料だけです。
- 入学金(私立で約20万円が目安・学校により差)
- 施設費・設備費
- 教材費・制服代・通学費
- 修学旅行費・部活動費・PTA会費など
前のセクションの表を思い出してください。私立の「授業料以外」だけで年約58万円。さらに入学時には、入学金・制服・教材をまとめて用意する必要があり、入学のタイミングで一度に40〜60万円ほどの出費になるケースもあります。
「授業料がタダになる」と聞いて浮かれていたんですが、入学金や制服で一気に数十万円かかると知って、現実に引き戻されました。無償化は「ゼロ円」ではなく「授業料分が軽くなる」と読み替えるのが正解だなと。
高校無償化=「授業料が軽くなる制度」。残る「授業料以外」と入学時のまとまった出費は、これまで通り自分で準備する必要がある。
浮いた授業料を「未来の教育費」に変える3つの選択肢

無償化で浮いた授業料を、そのまま生活費に溶かしてしまうのが一番もったいない使い方です。高校の3年間で軽くなった分を「大学費用の先取り」に回すと、教育費のヤマ場である大学進学に向けて、家計にじわじわ効いてきます。現実的な選択肢を3つ挙げます。
①新NISA(つみたて投資枠)で大学費用を準備する
大学進学までまだ数年あるなら、新NISAのつみたて投資枠で時間を味方につける方法があります。毎月コツコツ積み立てて、必要なタイミングで取り崩す。教育費づくりの王道です。ただし投資なので元本割れのリスクはあります。「使う時期が決まっているお金」は、全額を投資に回さず、現金とのバランスを取るのが安全です。
②クレカ積立で「ポイントも貯めながら」積み立てる
新NISAの投信積立は、クレジットカードで自動引き落としに設定できます。たとえば楽天証券なら楽天カードで積み立てると、積立額に応じて楽天ポイントが貯まるので、同じ金額を積み立てるなら現金より少しだけお得です。貯まったポイントは日用品や食費に回せるので、家計の足しにもなります。
すでにメインで使っているカードや証券口座があるなら、無理に変える必要はありません。これから教育費づくりを始める方が、最初の一歩として選ぶのに向いています。
🔍 どのカードが合うか迷う人は▶ 投資パパが選んだクレカ3枚の使い分け(楽天・三井住友NL・リクルート)
※年会費無料。クレカ積立のポイント付与条件はカード種類・積立額により変わります。
③「守りの現金」として先取り貯蓄に回す
「投資はちょっと怖い」「使う時期が近い」という場合は、浮いた分を毎月の先取り貯蓄に回すだけでも十分です。入学金や制服など、まとまって出ていく費用に備える「守りのお金」として、別口座に自動でスライドさせておくと安心です。
我が家のコツは「浮いた分を、浮いたと気づく前に動かす」こと。給料日に自動で積立口座へスライドさせておくと、いつの間にか貯まっていきます。意志の力に頼らないのがポイントです。
まとめ:高校無償化は「家計の余白」。何に回すかで18年後が変わる
2026年度からの所得制限撤廃は、年収500万円台の子育て世帯にとって確かな追い風です。ただ、「得した」で終わらせるか、「未来の教育費に変える」かで、数年後・十数年後の家計の余裕は大きく変わります。
無償化で生まれた「家計の余白」を、未来の教育費にスライドさせる。ここまでやって初めて、制度が本当の追い風になると感じています。我が家もこの方針で進めています。
制度は「知って、使って、回す」までやって初めて家計の味方になります。我が家もまだ試行錯誤の途中ですが、浮いたお金を未来に先送りする習慣だけは、早めに作っておいて損はないと感じています。
※本記事は2026年6月時点の公表情報をもとにした一般的な解説です。制度の詳細や最新の支給額・申請方法は、お住まいの自治体や学校、文部科学省の公式情報をご確認ください。投資は元本割れの可能性があり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
執筆:papakakei.com 編集部